あめつちひらく

物理が好きです。数値シミュレーション始めました。資格の勉強とか。

一般計量士の試験を受けてきました

 先日、一般計量士の国家試験を受けてきました。そもそも一般計量士って何?と思うかもしれません。私も会社に入って、試験を受けてほしいと言われるまで存在を知りませんでした。
 私たちの身の周りには「はかり」が色々あります。料理に使う台はかり、スーパーでお肉をはかるはかり、それだけでなく体温計も「はかり」です。普段何気なく使っていますが、これらの示す数字が間違っていたら大変なことになりますよね。そこで「はかり」を適正に管理・運用することが重要となります。
 計量士にはいくつか区分があって、そのうち一般計量士というものの試験を受けてきました。試験は4科目に分かれています。専門科目として一般的な基礎知識の科目(一基)とはかりに関する科目(計質)があります。共通科目として法律に関する科目(法規)と計量の管理に関する科目(管理)があります。すべて5択から1つ選ぶマーク式のテストです。各科目は25点満点となっており、専門科目で6割以上、共通科目で6割以上の点数を取ることが合格条件と言われています。また、実際に計量士として仕事をするには、試験に合格した上で実務経験を積む必要があります。
 試験にあたり、一番大変だったのが法規でした。そもそも法律があることすら知らなかったので、過去問では何もわかりませんでした。一方、高校で物理や数学を学んでいたので一基は簡単でした。計質は問題文にヒントがあるのでなんとかいけるという感じで、管理は選択肢が明らかに変なのが混ざっている感じでした。そういうわけで法律さえ覚えればなんとかなるな、というのが最初の印象です。
 実際、法律だけは文章を印刷して何度も読みました。その他の科目については、JISの語句のサイトを1回読んだくらいで、あとは過去問を5年分解き、復習を行った程度です。でも過去問さえ覚えていれば解けたという問題がいくつもありました。
 個人的に一番好きだった問題について書きたいな思います。一基の中にあった3進数で表記されたものを9進数に変換したらどうなるか、というものでした。一見面倒くさそうと思ったのですが、なぜ3から9なのかと気づくと一瞬でした。9は3の2乗なので、まず3進数で表記されたものを2ケタずつ区切ります。それぞれの区切りの中で、各ケタの数字を足します。出てきた数をそのまま並べれば9進数表記になります。これに気づいたときは感動でした。
 計量士の勉強を通じて、仕事に使いたいと思うことが出てきました。まずは実験計画法です。効率的に実験を行うことがこれからますます重要になってきます。今では実験計画法を超えて、機械学習を利用した実験計画が行われるようになってきました。実際に成果も上がっており、開発現場への機械学習の導入は今後必ず行われると思います。
 次に工程管理です。まだ製品の生産設計をするということはないですが、製品がどのような状態にあるかを計測することは重要な設計の要素です。コストを考えてなるべく計測を減らしつつ、絶対に押さえておかなければいけないところは押さえる。将来、こうした工程設計を行うのが楽しみになりました。
 改めて、試験に合格するだけではいけないということを感じました。これから実務を行い、試行錯誤を行いながら自分の感覚を育てていきたいと思います。といっても試験の合格発表は2月なのでまだ合格したかすらわかりませんが笑